ヒトの歯のそれぞれの名称と役割3
~犬歯(続き)・切歯~

 

犬歯(続き):
歯(主に犬歯)が歯列の外にはみ出したり、他の歯に重なったりしている状態を八重歯と言います。八重歯の人はかわいい顔が多いと言われています。
顎が小さい人が多く小顔であること(小顔ゆえに歯が収まり切れずに八重歯になると言う面もある)、童顔に見え「小動物」「小悪魔」といったイメージがあること、などからそう言われるのかもしれません。
しかし、見た目がよいとしても、八重歯には健康面でいくつかの問題があります。

・歯が重なったり歯列が乱れていると汚れが落ちにくい部分ができてしまい、むし歯や歯周病になりやすい(叢生(そうせい)
・口が閉じにくく口呼吸になってしまい、唾液が減少したり口臭の原因となる
かみ合わせが悪くなることから、食べものが噛み切れない、うまく咀嚼できない、特定の部分に強い圧力がかかる、あごの関節に負担がかかる、口内炎ができやすい...といったことです。
「見た目」をとるか「健康」をとるか、医師ともよく相談して判断することになります。

切歯(中切歯、側切歯):
歯列の中央にあり、上下左右でそれぞれ2本ずつ、計8本を「切歯(せっし)」と呼びます。最も正面にあり隣り合った一対の歯を「中切歯」、その両隣にあるのが「側切歯」と言います。哺乳類の切歯を指す言葉として「門歯」とも呼ばれます。また2種類の切歯に犬歯を加えると「前歯(ぜんし)」という分類になります。形状としては、大きくて平べったく、根は円形です。食べ物を適度な大きさに噛み切る役割を担うと同時に、一番初めに目に入るところになるので、審美的には顔の印象を左右する歯になります。

それぞれの歯の役割や特徴を知って、それに合ったケアをすることで、お口の健康を保ちましょう。