前回コラムで、大臼歯の役割とケアの方法などについて触れました。
その続きで今回は、ほかの種類の歯について書いてみたいと思います。
小臼歯:
奥から大臼歯が(親知らずを除いて)2本続いたその次の歯2本は小臼歯と呼ばれ、奥から第二小臼歯、第一小臼歯となります。
食事の際には、前歯で噛み切った食べ物を細かく砕きつつ、奥に送る役割を担っています。
また、かみ合わせの側面からみると、小臼歯から大臼歯にかけて大きな咬合平面(歯がかみ合う面)を構成し、安定したかみ合わせを得ています。
さらに下あごが後ろにずれるのを防ぐ役割も果たしています。下あごに後ろ方向にずれる力がかかったとき、唯一かみ合うのが第一小臼歯でかみ合うことによって、それ以上下あごが後ろにずれるのをくい止めるストッパーの働きをしているのです。
小臼歯は矯正治療でスペースが足りないときなどに、抜歯されてしまう代表的な歯ですが、このようにとても重要な役割を担っているので、できれば残しておきたい歯です。
犬歯:
前歯と奥歯の間にあるひし形をした歯で、食べ物にかぶりついて切り裂きます。糸きり歯とよく呼ばれている歯です。先が鋭く尖っていて、永久歯の中でも根が長く、横からの力に強いという特徴があります。
このことにより横からの力に弱い臼歯に直接力が加わらないよう守る役割も担っています。食べ物をすり潰すなどの下あごを横にずらしたときに、上下の犬歯が当たることでその衝撃を受け止めてくれます。
また、かみ合わせに関しては、ちょうど前歯と奥歯の間に生えているので、上下の顎が正しく噛み合うためのガイドになっています。同時に、犬歯の尖った部分が引っかかることで、かみ合わせのずれを修正してくれています。
犬歯の続きと残っている前歯については、次回コラムで書きたいと思います。