歯がつくことわざ 2
前回に引き続き、もう少し歯のつくことわざを見ていきます。
○「歯は硬い」ということから言われているもの
・豆腐で歯を痛める:軟らかい豆腐で歯を痛めることはないことから、ありえないことのたとえ
・歯滅びて舌存す(はほろびてしたそんす):剛強なものはかえって早くなくなり、柔軟なものは後々まで残ることのたとえ
・歯が立たない:硬くて噛めないこと。力が違い過ぎて、とてもかなわないこと
○美しさや笑顔を表す
・明眸皓歯(めいぼうこうし):目がぱっちりと美しく、歯が真っ白なこと。美人の形容
・歯牙春色(しがしゅんしょく):春(正月)を迎えたときのように、歯が輝くほどの笑みを浮かべる
・白い歯を見せる:笑顔を見せる。にっこり笑う。
○歯が並んでいる様子から
・歯の抜けたよう:まばらで、ふぞろいなさま。あるべきものが欠けて、寂しい様子。
・櫛の歯が欠けたよう:切れ目なく続くべきもの、そろって並んでいるはずのものが、ところどころ欠けている。(この場合は本物の歯ではなく櫛の歯ですが)
○その他
・唇歯輔車(しんしほしゃ):唇歯は唇と歯。輔車は頬と歯茎。どちらも相互の利害が密接で、一方が滅びれば他方もまた成り立たなくなる関係をいう。
・歯の根も合わない:寒さや恐ろしさのために、身体の震えが止まらないこと。
「丈夫で白く美しく、きれいな歯並び」ということで、歯に求められていることがよく出ています。