歯科心身症の症例

歯やお口のなかに痛みや違和感を感じるのに、歯科的な異常が見つからないという特徴を持つ歯科心身症。
具体的な症状にはどのようなものがあるのでしょうか。
歯科心身症の症例
●舌痛症:舌に異常はないのに、舌の痛みがずっと続く状態で、舌に関する痛みが長く続きます。
「食事中は痛みを感じない」「人と話をしていると感じない」「なにもしていない時に一番痛みを強く感じる」等の特徴が多く見られます。

●かみ合わせの異常感:歯科医から見て異常のない咬み合わせであるにも関わらず、かみ合わせに違和感や異常を感じるという状態です。
ある日突然、かみ合わせをおかしく感じる方もいらっしゃれば、歯の治療でつめ物・かぶせ物を装着したことから起こることもあり、きっかけは様々です。
咬み合わせのことを気にすれば気にするほど、悪循環に陥り、少しの歯の接触の変更を受け入れられなくなったり、かみ合わせが落ち着く状態が分からなくなったりします。

●口腔セネストパチー(口腔の異常感):痛みではなく、なんとなく違和感がある、なんとなく気になる、歯の上に何かのっている、お口の中に何か出てくる等、お口のなかに異常感が生じている状態です。
唾液の異常や味覚障害が疑われますが、検査しても異常は認められません。
本人は異常を確かに感じていて、それを理解してもらえず悩んでしまう方もいらっしゃいます。
このような異常感をセネストパチー(体感異常症、体感幻覚症)と言います。

次回コラムにつづきます。