歯ぐきの曲がり角

 

 年齢とともに、肌の色つややハリが衰えてくることを「お肌の曲がり角」と言います。
一般には20代後半から30代にかけて、1回目のお肌の曲がり角にさしかかる方が多いと聞いています。その年齢になるとお肌同様、お口のなかも変化が表れてきます。
 今回は歯ぐきの曲がり角という視点でその時期にさしかかったときに起こっていることやその対策について考えてみます。歯ぐきの曲がり角

 お肌も歯ぐきも主な構成要素はコラーゲンです。
ですからお肌の曲がり角にさしかかり、コラーゲンが減少することで肌にハリがなくなるのとおなじように、歯ぐきがハリを失っても不思議ではありません。
 ハリを失ってくると歯ぐきが下がって歯周病に罹りやすくなります。
 逆に別の原因…例えば、歯垢や強すぎる歯磨きなど…で歯周病になって、歯ぐきが炎症を起こしたりすると、コラーゲンが失われ、歯ぐきが下がってしまうこともあります。

 この歯ぐきが下がる歯肉退縮が進むと、歯根が露出し歯ぐきと歯の間にすきまができ、お口の問題の原因となる細菌に感染しやすくなります。
 歯周病のほかにもむし歯(歯根部分にできるむし歯を根面う蝕と言います)や、知覚過敏のリスクが高まります。
また、歯ぐきが下がって歯が長い感じに見えると見た目もあまりよくなく、老けて見えます
 この曲がり角の年齢ですが、20歳代くらいから歯肉退縮の発現者率が増え始めることがわかっています。お肌と同じころですね。

 対策は、毎日の地道なケアと歯科医院での定期健診です。20歳代と言えば、仕事に遊びに忙しく、からだのケアには関心が向きにくいとは思いますが、将来の健康への投資と思って歯科医院を訪ねてみましょう。