日本人とむし歯

 日本人のむし歯の数は、世界の国の人々のそれと比較して、多いのでしょうか、少ないのでしょうか…と考え、調べてみました。
しかし、WHOのデータバンクなどを見ると、いくつか統計はあるのですが、調査年がまちまちで比べにくいし、別の統計では違う数字もあったりして、「日本は〇位」と言えるような数字は見つけられませんでした。
ただ、冒頭のように「多いのでしょうか、少ないのでしょうか。」と言われれば、なにかとよく比較される欧米の先進国と言われる国々のなかでは、多い方に入ってしまうようです。

それにはいくつか理由があると言われています。

●定期健診を受ける人が少ない(定期検診が習慣化されていない)
これは日本は保険制度が充実していることにも関係していると言われています。日本ならむし歯になっても数千円で治療してもらえます。
  ところが欧米の国のなかでは、保険外診療になることも多く、数万から十万を超える治療費がかかることも、ままあるようです。
 そうなると皆さんむし歯にならないように、予防や定期健診への意識は高まるというわけです。
●学校や保健所での虫歯予防指導が系統だって、熱心に行われている。
これも医療費の高さと関係しているのかもしれませんが、「歯をケアして守る」という意識は、小さいときから教えられます。
●フッ素の活用
国によっては、水道水にフッ素を配合したり(水道水フロリデーション)、フッ素うがいを推進するなどして、歯質の向上を目指している例もあります。

 もうひとつ付け加えるとすれば、習慣的に外国の人は日本人よりお互いの距離が近いということがあるかもしれません。
 会話のときのお互いの距離や、親しみを表すハグの機会も多く、近い距離で接することが多いので、むし歯やそれに伴う口臭に、より敏感である、という生活習慣的な理由もあるではないでしょうか。