むし歯になりにくい食べ方飲み方

 毎日、一生懸命、歯を磨いているのにむし歯になってしまうことがあります。「体質だから」とか「歯がやわらかいのでは」などいろいろな理由を言う方がいらっしゃいますが、「食べ方」や「飲み方」もむし歯のなりやすさを左右します。
 むし歯は「ミュータンス菌」などのいわゆる「むし歯菌」が糖類などの食べ物を餌にして酸を出し、その酸によって歯の表面のエナメル質が溶け出すこと(脱灰)によっておきます。
通常は唾液などの働きで口のなかが中性~アルカリ性に戻ることで、再石灰化され溶け出した部分は修復されます。
脱灰と再石灰化のサイクルがバランスよく回っていればむし歯にはなりません。しかし、酸性に傾いている状態が長くなると再石灰化による修復が間に合わなくなり、むし歯となってしまいます。
 食事や間食などで食べ物や飲み物を摂ると、歯垢のなかの細菌が糖を分解して酸を出すことになるので、その回数が多いほど、その時間が長いほど、歯は酸にさらされることになります。
テレビを見ながら、スマホをしながら、甘いお菓子を食べ、ジュースや清涼飲料を飲むといった「ながら食べ」はその最たるもので、むし歯のリスクを高めています。
だらだら食べ続けること自体もそうですし、噛むことに集中していないので、食べ物が口のなかに入っている時間も長くなります。「ながら」はできるだけしないように習慣付けましょう。
 間食をたびたびとることもよくありません、少量でも回数が多いと口のなかがアルカリ性になかなか戻りません。甘い飲み物を少しずつ何度にも分けて飲む習慣、眠気覚ましに飲む甘いコーヒーなども同様です。
間食は時間や回数を決めてそれを守る、飲み物を何度も飲みたいときは、甘い飲み物の代わりにお茶や水にする、甘い飲み物のあとに甘くない飲み物も摂る、といった工夫でむし歯のリスクを下げましょう。
「よく噛んで」食べることも大切です。よく噛むと唾液がたくさん出て、お口のなかをアルカリ性に近づけ再石灰化を促します。食べかすを洗い流して口を清潔に保つ洗浄作用もむし歯予防につながります。

 食べ方や飲み方を変えるだけで十分にむし歯を防げるわけではありませんが、お口のなかが酸性になっている時間を短くできます。毎日のブラッシングに加えて、食べ方飲み方について意識することで、むし歯の予防につなげてください。