キシリトールとリカルデント、その違いは?

 歯の健康を守る成分の入ったガムやタブレットをたくさん見かけるようになりました。タイトルにあるキシリトールやリカルデントは、その代表的な成分です。しかし、それぞれが何なのか、よくわからない方も多いと思います。それぞれどのような特徴があってなにが違うのでしょうか
キシリトールとリカルデント、その違いは?
 キシリトールは、天然素材の甘味料で、原料は白樺や樫などです。主にフィンランドで作られてます。むし歯菌(ミュータンス菌)がキシリトールからはむし歯の原因となる酸が作れない、すなわちむし歯ができにくい、というところがその一番の特徴です。さらに、ミュータンス菌自体も、エネルギー源でもある酸が作れないうえ、無駄にエネルギーを消費してしまうので、成長・増殖が阻害され、徐々に数が減少していきます。また、キシリトールの甘さは、唾液の分泌を促し、しかも酸を作らないので、アルカリ性に傾くため、歯の脱灰を抑え、再石灰化を進めるといわれています。

 一方、リカルデントは甘味料ではなく、ほぼ無味無臭の添加物です。リカルデントのガムの甘さは他の成分で出していて、キシリトールが使われていることも多いです。オーストラリアで開発された牛乳に含まれる成分から作られた天然由来成分です。CPP-ACP(カゼインホスホペプチド- 非結晶リン酸カルシウム複合体)とも表されます。その特徴は、歯のエナメル質がカルシウムやリン酸塩を取り込みやすくし、歯の再石灰化を促進し、再石灰化した部位の酸に対する抵抗力を高めることです。ごく初期のむし歯であれば修復してくれます。

 むし歯菌のはたらきを抑制し、菌の数を減少させるキシリトール、歯の再石灰化を促進し、抵抗力を高めるリカルデント、その違いから、状況によって使い分けることもできます。例えば、妊娠中育児中のお母さんは、キシリトールガムを噛んでお口のなかのむし歯菌を減らすことが出来れば、お子さんへ虫歯菌が感染する可能性を少なくできます。初期むし歯(歯の表面が溶かされてつやがなくなり、白く濁ってきます)がある方は、リカルデントを使うと、再石灰化を促進する効果で修復できるかもしれません。

 キシリトールやリカルデントは、むし歯予防に一定の効果がありますが、あくまで補助的なものと考え、日常的なブラッシングや歯科医院での定期健診も欠かさないでください。